不幸な時代の始まり
自公を中心とする与党は、本日未明に安保法案(戦争法案と置き換えたい)を参議院本会議で可決成立させました。
安倍政府は世論調査で国民の8割が説明不十分、6割が今国会での成立に反対とする中で、8月米国議会でおこなった米国との約束を優先させたのです。
団塊の世代でベトナム反戦や沖縄返還・原水爆禁止の運動を体験したものとして、主に組織動員のデモなどの抗議行動にも参加しましたが、戦争法案を巡る反対運動には廃案を求める学生団体SEALDs奥田氏が国会参考人として述べたがごとく、政党・組合など組織的な動きでなく、市民として個人としての参加意識が特徴的でした。
安倍首相は今朝の記者会見で「今後も国民の理解を得るべく、最大限の努力をしていく」「時がたてば理解がひろがる」と述べていました。
ちょっと待って!! それは法案を成立させる前の必要最低限の話しで、順序が逆でしょう。
衆議院特別委員会の濱田委員長の言葉、「今回のように法案を10本に纏めるには無理がある」、参議院特別委員会の鴻池委員長氏の言葉、「どうしても不備な答弁が目立ったような気がする」。
身内からこんな言葉つい出てしまうほど不備で疑問だらけだったのです。
内閣不信任決議案の賛成討論を聞いていて、共産党志井委員長が具体例を挙げて「平和主義の破壊」「立憲主義破壊」「民主主義否定」という三つの大罪であるとの指摘したのは説得力がありました。
結果として戦争法案強行採決・成立となりましたが、今回で学んだ「市民個々として考え意見を言い行動する」ことは、日本の民主主義にとって大きな一歩となるでしょう。
市民のほか憲法学者はもちろん、政治と距離を置いていた研究者・文化人が反対の声をあげ行動したのも特徴的でした。
さっそく集団違憲訴訟を起こす準備が始められています。
来年の参院選で戦争法案を推し進めた勢力への意思表示も含めて、憲法と平和を守る戦いは続きます。
「不幸な時代の始まり」とともに、憲法と民主主義を守るたたかいの「新しい時代の始まり」としなければなりません。
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