リスクに対応する登山知識
国民の祝日「山の日」も制定され、登山ブームが依然続いています。
レジャー白書によると登山人口は8百数十万を越えるといわれます。
一方登山事故も増えていて、昨年の山岳事故の発生件数、遭難者、死者・行方不明者は、過去最多となり、この10年間で77%も増えたそうです。
どの登山組織に属さず、リーダーも明確でないグループ登山やお互いの体力や技術・経験もわからないまま山に挑むネット公募登山なども問題をおこすことがあります。
山歩きを始めて10年、始めは順調だったものの膝腰肩に問題が出て、不安を感じている
とき、図書館でこの本に出会いました。
日本人初の国際山岳医 大城和恵さんの「登山外来へようこそ」、角川新書、920円(税別)です。
第1章 登山ブームにひそむ危険
第2章 山の中で自分を守るために--登山者が知っておくべき基礎知識
第3章 山岳医療を学ぶということ--ファーストエイドの第一歩
第4章 (略) 第5章 (略)
自らの登山経験を重ね、山岳医療を学び、山の安全を多くの登山者に役立ててもらいたいとの気持ちが伝わってきます。
なかでも、グサ!ときたのが次の一文です。
「人間の体力や筋力は、二十代をピークにして少しずつ落ちていき、六十代でピーク時のおよそ半分になり、七十代でおよそ三分の一になります。しかもそれは、ある日突然、がくりと落ちるわけではなく、徐々に落ちていくものなので、本人はなかなか自覚できません」
ほかに、トイレの我慢が招く危険や水分補給の重要性、低体温症・高山病への対処など登山家で医師らしいアドバイスが書かれています。
「救助のヘリコプターは有料か?」や「登山届けの持つ三つの意味」も知っておくべき知識です。
既存会員の高齢化と中高年新入会員の増加など、どこの山の会にも課題があります。
また、年齢や緊急連絡先など必ずしも共有されていない情報もあります。
とりわけ活動中の事故や急病の時のファーストエイド(応急措置)を学ぶ必要性など、安全で楽しい山歩きをするためにいろいろ考えさせられた本です。
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コメント
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なるほど近年は手軽に出来るぶん
そのリスクを考えなさすぎかもしれないですね。
ブームにのるにはまずそのリスクから
勉強しないといけませんね。
投稿: 栄治 | 2017年1月 3日 (火) 06時49分