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2017年2月20日 (月)

硬派番組 アナザーストーリーズ

「アナザーストーリーズ運命の分岐点」、毎週水曜午後9時、NHKBSプレミアム番組です。

先週15日は「誕生!日本国憲法~焼け跡に秘められた3つのドラマ~」見応えのある内容でした。
今年、施行70周年を迎える日本国憲法。その成り立ちは実に複雑である。GHQが作成した草案がベースになったが、実は、日本の民間人が作った草案もGHQ案に影響を与えた可能性があること。また当時世界でもまれな「男女平等」を実現し、その背後に若き女性の献身的な努力があったことなど、あまり知られていないことも多い。さらに伊豆大島には島民が作った幻の憲法も存在した…。
 
内容は、以下の3つのドラマです。
①GHQの憲法草案作りに参加し、日本国憲法に女性の権利盛り込ませた女性
②終戦後いち早く民間の憲法草案作りに取り組んだ「憲法研究会」の草案
③伊豆大島の「大島暫定憲法」
 
①と②は知っていて、特に鈴木安蔵ほか有識者7人が1945年11月に結成した「憲法研究会」による草案で、主権在民や平和主義、表現の自由、男女平等などをうたっていたことは、マイブログ「日本の青空Ⅱ 日本国憲法を考える」で記事にしました。
GHQ草案の1ヶ月以上前にすでに日本の民間人による独自の憲法草案が存在し、その草案が逆にGHQ草案に影響を与えた可能性を指摘しています。
日本国憲法はGHQの強い意向を反映しつつも、中味は「メイドインジャパン」なのです。
 
びっくりしたのは、伊豆大島の「大島暫定憲法」。
日本からの分離を突如言い渡された村人たちが自らの手で作り上げたものです。
日本国憲法が公布される9か月前に作られた暫定憲法には「大島ノ統治権ハ島民二在リ」として、主権在民・平和主義・議会制民主主義の考えが定められています。
すぐにGHQの指示は撤回され忘れられた存在でしたが、20年前に原文が行政文書を保管していた倉庫から、偶然発見されたそうです。
先人の英知と島民の誇り「幻の大島憲法」を、伊豆大島の中学校の歴史授業で教えている様子も映っています。
 
NHKの籾井前会長は「政府が『右』と言っているのに我々が『左』と言うわけにはいかない」との問題発言や慰安婦問題で「今のモラルでは悪いことだが、戦争地域ではどこにでもあった。逆に、ほかの国になかった証拠はあるのか」など、「不偏不党」のメディアの基本姿勢を忘れて政権よりの発言が目立ちました。
また、民放と見まごうばかりのバラエティ番組も増え、公共放送として見識を疑うところもあります。
一方で意欲的な取材や問題意識を反映した硬派番組にNHKらしさを感じさせます。
 
「アナザーストーリーズ運命の分岐点」は明日21日(火曜)午後11時45分BSプレミアムで再放送されます。
夜更かしの値打ちがあります。
 
日本国憲法 誕生の真相 ~ 映画「日本の青空」(30分ダイジェスト)  ↓
ブログで紹介した映画のダイジェスト版、You Tube でご覧ください。
 

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