講演 アメノヒボコの考古学
豊岡市立博物館では第41回企画展、「但馬一宮 出石神社の名宝」が開催されていて、同市学芸員仲田氏の講演「アメノヒボコの考古学」が開催されました。
通常の歴史学に較べて考古学は古墳・遺跡・土器などわずかに残されている断片などから当時の文化・生活など推測する難しい学問のようです。
『古事記』『日本書紀』に登場するアメノヒボコは新羅の王子で、太古に日本に渡来してきて、但馬や畿内に大きな影響を与えたとされています。
古墳時代の朝鮮半島情勢
講演は古墳時代7世紀までの朝鮮半島情勢から始まりました。
それを踏まえて、朝鮮半島との交流・渡来人の関わりについて但馬出土の渡来系遺物である「鉄」、「土器」、「古墳」の写真資料をもとに話されました。
大陸から海続きの日本海側、但馬との交流は計り知れないものがあったと思われます。
渡来系の氏族である秦氏、出石町袴狭遺跡の遺物500点から人名と思われる90点のうち、69点が「秦氏」が記されているのも驚きです。
まとめとして、渡来人一世の痕跡は少なく、倭人化した二世以降の存在がうかがえるとのことでした。
アメノヒボコは「個人」なのかはたまた「集団」なのか、資料も少なく神話と遺構・遺物から推察するしかないようです。
いずれにしても朝鮮半島は大陸文化との交流窓口で、政治的・軍事的にも倭国に大きな影響を与えてきました。
<ユネスコ憲章>
「相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑と不信を起こした共通の原因であり、この疑惑と不信の為に、諸人民の不一致があまりにもしばしば戦争となった。・・・・・・」
日本と朝鮮半島、中国大陸の交流の歴史を考えると、現状は嘆かわしいものです。
この教訓を生かさないといけませんね。
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