笑って学ぶ江戸時代 Ⅲ
豊岡歴史博物館「ミュージアム寄席」も今回が3回目、お題は「食」で最終となります。
例によって「たんたん落語会」の師匠お二人と、可愛いゲストが登場します。
「饅頭こわい」
まずは、なべやまろにぃちゃんの「饅頭こわい」です。
中学1年生。「第12回子ども落語大会」で、笑福亭伯枝賞を受賞し、天満天神繁昌亭の高座に上がる。「第1回キッズ落語北海道大会in砂川」で、審査委員長賞を受賞したとホームページに紹介されています。
おなじみの演目ですが、「怖いもの」と偽り、一番「好きな」饅頭をせしめ、怖い怖いといいながら食べ、騙されたと気づいた仲間に、「今度は熱いお茶がこわい」のオチがあります。
場慣れしていて、仲間とのだまし合いを上手に演じました
「延陽伯(えんようはく)」
続いて、迷探亭小ん南さんが登場。
これもおなじみの上方ネタで、東京で「たらちね」。
大家の紹介でもらった嫁さんと八五郎のやりとりです。
この嫁というのは、都のお公家さんへ奉公していたらしく言葉遣いが尋常でないのです。
名前を聞くと「わらわ、元、京都の産にして、姓は安藤、名は圭三、字を五光と申せしが、我が母、三十三歳の折、ある夜、丹頂を夢見、わらわを腹めしが故に、たらちねの胎内を出でし頃は、鶴女、鶴女と申せしが、それは幼名、成長の後、これを改め、延陽伯と申すなり。」
朝になって「あ~ら我が君」から始まって、お米の場所やネギ売りとのやりとりがあったりして、この話のオチは、「ようも、そう朝早うから、難しいこと言えますなあ」と八五郎が言うと、嫁の答えが「朝飯前なりや」でした。
小ん南さんは表情豊かで、ますます芸に磨きがかかってきました。
「かぜうどん」
トリは春歌亭丹馬師匠の「かぜうどん」です。
寒い夜に夜泣きうどん屋が商売をしていると、酔っぱらいがお湯や水を無心し、屁理屈で困らせたあげく、食べずに行ってしまいます。
正直者のそば屋と酔っ払いとのやりとりが、丹馬さんの得意なところです。
次に「手なぐさみ(ばくち) 」をしている家の遊び人達相手に、世間をはばかった小声でのやりとりで、うどん10杯の商いに成功します。
これで気をよくしたうどん屋に小声の客がさらに一人、同じく小声で対応して1杯売ったあとの客が言う、「うどんや お前も風邪引いとんのか?」がオチとなります。
うどんを箸ですすり、薬味をしゃぶり、汁を吸う所作と音がなんとも言えないほど見事です。
その後学芸員さんを交えて、江戸時代の食が話題になりました。
一日二食だった食事が、江戸時代になって三食に変わったそうです。
灯りが普及したことで夜の活動時間が増え、遅仕事の後の夜食(夜泣きうどん)も登場しました。
江戸はソバ、上方ではうどんに変わり、有名な噺「時ソバも」、「時うどん」に変わります。
落語を通じて江戸時代の「食」を知り、庶民の暮らしを垣間見ることができました。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
最近こういったネタものをみる機会が多くなりました。
笑うがいちばんですね。
投稿: 栄治 | 2018年2月25日 (日) 15時34分