植村直己冒険賞に岡村 隆さん
第23回の植村直己冒険賞の受賞者に、探検家の岡村 隆さん(70歳)が選ばれ、直己さんの母校明治大学紫紺館で記者発表されました。
同時に、植村さんの母校府中小学校で、6年生らが集まり、東京とテレビ電話中継されました。
昨年に続いて但馬山友会として案内を受けて、小学校での発表会に参加してきました。
2月12日は植村直己さんの誕生日、存命なら78歳でマッキンリーで消息を絶ってから35年になるそうです。
私も府中幼稚園、府中小学校、府中中学校、豊岡高等学校と7年遅れて学び、自宅が川を挟んだ隣村で、面識はありませんが常々誇りに思っています。
国道沿いの看板 府中小学校会場
びっくりしたのが、受賞者の岡村さんが昭和23年生まれの団塊世代だったこと。
受賞対象となったのが、50年間にわたって続けたスリランカの密林遺跡探検なので納得しました。
岡村さんの対象冒険名は、「未知」の遺跡探査に情熱を傾けて約半世紀、南アジアの密林遺跡探検調査」です。
最近では「2018年8月にスリランカ南東部のジャングルにあるタラグルヘラ山に到達、翌日にかけて山頂の仏塔跡や付近の岩窟寺院跡、密林中の建造物跡などを次々と発見したほか・・・」と報告されています。
現地では密林に無数に存在する遺跡の破壊や風化が進むのを目にされたとのこと。
苦労されたのは、飲料水・生活用水の確保で、採取可能なキャンプ場所の選定、濾過、煮沸だけでなく、素焼きの甕に入れて馴染ませたそうです。
GPSのないころは、画板に貼り付けた地図をコンパスと万歩計で確認しながらの作業だったこと。
危険を感じたのは象の群に囲まれて動きが取れなかったときなどでした。
探検と冒険の違いも話題になりました。
岡村さんは・・・・
「自分の探検は、未知なる目標を発見し調査、報告をすることであり、個人ではなく仲間とチームでおこなう活動です」
冒険賞受賞の報を聞いたとき、「冒険といっていいのか?」「チームでの仕事なのに、個人として評価されてよいのか?」など戸惑いがあったそうで、「地味な活動を評価していただいたことに感謝し、仲間の代表としてお受けすることにした」と述べられました。
岡村 隆さん(中央) 6年生代表からメッセージ
記者に冒険と探検の違いを聞かれた西木選考委員が、「広辞苑で調べてください」との冗談話もありました。
うちに帰って広辞苑で調べると、冒険とは「危険をおかすこと。成功のたしかでないことをあえてすること」、探検とは「未知なものなどを実地に探りしらべること。また、危険を冒して実地を探ること」 でした。
「危険おかして」は共通していますが、「未知なもの」が探検には加わります。
過去の受賞者の冒険内容に較べて地味であり、個人的業績ではありませんが、仏教国であるスリランカで半世紀の長きにわたる密林の中での遺跡探検調査は、冒険賞本来の趣旨に添うものとして選ばれたのでしょう。
岡村 隆さんが理事長を務める
「特定非営利活動法人南アジア遺跡探検調査会」 ← ホームページ
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コメント
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神戸新聞でしりました。
その功績ってのは大きいですね。
投稿: 栄治 | 2019年2月14日 (木) 07時59分