種子は地域の財産(たから)
保田茂先生の講演会があると聞いて、養父市大屋市民センターに出かけました。
満員の講演
「おおや有機農業の会」の地元でもあり、会場は100人を超える人で満員でした。
テーマは種子、ろくな審議もされずに昨年4月に廃止が決まった「主要作物種子法」の狙いと将来への影響をわかりやすく説明されました。
従来は各都道府県の農業試験場によって研究され、安定して供給されてきた種子制度が廃止になって、民間参入が促進されることが問題です。
理由は「優良品種の開発が公的機関に限定され、民間企業の参入機会を奪っている」とのことです。
これはTPP、日米二国間の合意などで、米・麦・大豆の主要作物まで、外資系巨大企業の参入を容易にする狙いがあります。競争原理の行き着く先は、競争によるコストダウンではなく、寡占による価格の高騰と多様性の欠如という、農業分野における弱肉強食が進むことになります。
幸い兵庫県では県条例で継続することが決まりました。
朝日新聞但馬版の甲斐記者の記事がわかりやすくまとめられています。
甲斐さんは「農は楽し」(特区1号の現場から)で農業特区に指定された養父市の農をテーマに、特集は今日で204回を数え、単行本にもなりました。
朝日新聞但馬版(2月4日)
朝日新聞但馬版(2月4日)
米だけでなく、果樹や野菜の種子も国内大手によって市場独占が進んでいます。
全国一律ではなく、地域の風土に育った在来野菜が見直されています。
企業の論理である「売れるもの、儲かるものをつくる」のではなく、「生産者が作りたい」「消費者が食べたい」作物がこれからは求められでしょう。
●食べ物だけでなく“種”にも関心を持つこと。「どんな・何処で・誰が!」
●在来種の発掘。 「種を播く~味を確かめ~種を採る~次世代に残す」
エンドウを播くのは11月、3月にまけば時期を過ぎていますが、種くらいは取れるだろうとのこと。
黒豆の播種時期は6月中旬です。
僅かな数ですが、会場の100人が取り組めば広がりますね。
伊佐屋菜園でもやってみるとしましょう。
会場には広瀬養父市長もお見えになりました。
去年の食育講演会もそうですが、講演を一緒に最後まで聴いていらっしゃいました。
挨拶だけで後は退席というパターンが多い中、農業特区1号養父市のトップとして学ぶ姿勢はご立派です。
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