国民主権の原則にそぐわない
10月22日に行なわれた、即位礼正殿の儀の最後に安倍首相が音頭をとり、「天皇陛下万歳!」を三唱し、出席者もこれに和しました。
天皇の代替わりとして行なわれる行事であり、日本国憲法に規定される天皇制を認めるのにやぶさかではありません。
ただ、天皇の即位を祝う儀式であっても最後を締めくくるのは、「天皇陛下万歳」ではなく、主権者たる国民も含めた「日本国万歳!」がふさわしいと思います。
伯父と叔父2人が、中国に攻め入った「支那事変」で戦死したこと、日本国憲法とともに生まれ育った私にとって「天皇陛下万歳」はどうしても認めることができません。
一日前の10月21日(昭和18年)はアジア太平洋戦争の末期、兵力不足を補うため、徴兵猶予されていた文科系の学生を在学途中で徴兵し、学徒出陣の壮行会を明治神宮外苑の陸上競技場で文部省主催で行い、77校の学徒が雨の中を行進した日です。
その時に東条英機首相が「御国の若人たる諸君が勇躍学窓より征途につき、・・先の威風を昂揚し、仇なす敵を撃滅して、皇運を扶翼し奉る・・」と訓示を与え、学生が「生等(我ら)いまや見敵必殺の銃剣をひっさげ・・挺身をもって頑敵を撃滅せん・・生等もとより生還を期せず・・」と答え、「海行かば」を大合唱し、最後に全員が「天皇陛下万歳!」を唱和しました。
学徒出陣については 雨の神宮外苑「学徒出陣」56年目の証言
~語りつごう戦争を知らない人たちへ~
(東条英機首相の訓辞と学生代表の答辞をご覧ください)
昭和20年の敗戦により絶対的存在であった天皇は国民統合の象徴となり、国民主権が確立されました。
平和主義と基本的人権の三原則は長く悲惨な戦争から学んだものです。
そんな国にふさわしい「日本国万歳!」こそが、皆が気持ちよく叫べる言葉ではないでしょうか。
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コメント
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いつも楽しみに見させて頂いています。
数年前より参加させていただきたいと思っていました。
このたび、仕事の都合をつけ参加せていただきたいと思います。
参加の申し込みは、どうのようにすればよろしいでしょうか?
連絡頂ければありがたいです。
投稿: オダガキ | 2019年10月25日 (金) 21時56分
オダガキさん コメントありがとうございます。
案内の詳細を個人メールに送らせて頂きました。
投稿: izayamiki | 2019年10月26日 (土) 09時14分