真冬の柿二題
柿花火(12月19日)
葉が全部落ちてしまった柿の木に、実だけがびっしり付いていて、花火が開いているように見えます。
俳句の季語にもあり、冬空に葉が散った後なお実がたくさん残り、霜で赤らんだその姿がまるで真夏に打ち上げられた花火のように見えるさまを言うのだそうです。
子守柿(12月18日)
一方、「子(木)守柿」も冬の季語とされています。木守柿とは何個か実を残しておき、来年もよく実がつくようにと願うのと、小鳥の分をとってあるのだとも言われます。
今年はかってないほどの柿の生り年で、「柿花火」は随所に見かけても、「子(木)守柿」はまれです。
昔はどの家の庭には必ず柿を植えていたものです。
甘柿は勿論のこと、渋柿も合わせ(渋抜き)たり、干したりして食べ、そのまま放置することは考えられませんでした。
子供達にとっても、秋はもちろん、コタツに当たりながら食べる柿は大切なおやつとして欠かせませんでした。
人知れぬ山奥でしか見なかった「柿花火」が、いまではどこでも見られるようになったのは、食生活や住環境の変化でしょう。
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