朝日新聞兵庫県地方版の統合
一般新聞には、所属する地域ごとのニュースを掲載する「地方版」ページがあります。
各都道府県ごとをエリアとする地方紙が得意とするところで、全国紙や複数の都道府県をカバーするブロック新聞の場合も、幾つかの地域に分けて、身の回りのニュースを掲載します。
速報性と話題性でネットニュースが重宝され、新聞離れが進んでいます。各新聞社も朝夕刊とネットを繋いだWEBサービスを強化しています。
それに関連して各エリアの支局が廃止されたり、人員の削減が進んでいます。
私が購読する朝日新聞は兵庫県エリアに「但馬」「阪神・三田」「丹波・篠山」「はりま」「淡路」「阪神」「神戸」の7エリアで地域版が発行されていました。首都圏を除いて兵庫県の地理的・歴史的特性によるのか、極めて希な対応なのでしょう。
それが3月31日付け地方版の片隅に、『題字が変ります 4月から「但馬版」は「ひょうご 播磨 但馬 丹波・篠山版」に変ります』の記事が載りました。他に「三田」は「阪神」に、「淡路」が「神戸」に統合されています。つまり、7エリアが3になったのです。支局も加古川支局の名が消えています。
新聞離れの結果である減部による支局の減員・費用削減などにより、従来からニュース記事のエリア形骸化が進んでいました。
これは、読売・毎日・産経など全国紙も同様です。
原油高や原材料(用紙・インク)の高騰・輸送経費の増大によるコスト増が追い打ちをかけ、厳しくなる経営環境の中、骨抜きだけでなく身を大きな部位にまとめるのは理解できますが、直前の一片の通知記事で事足りるとされるのは納得がいきません。
見逃したかも知れませんが、それなりの経過やこれからの覚悟が欲しいものでした。
読者はニュースに国際性・全国性を求める一方、住む地域の身近な話題に興味を持つものです。
「身近な話題は地方紙(兵庫なら神戸新聞)でどうぞ」といわんばかりの対応に、50年前に但馬にUターンして以来の但馬版愛読者として大いに不満を感じました。