映画国宝とブームの余波
遅まきながら「国宝」を鑑賞してきました。地元豊岡劇場で上映予定がないので、福知山シネマまで出かけました。
歌舞伎を題材にした映画「国宝」が6月公開から2か月余りで興行収入100億円を突破し、公開4カ月目に入ってもロングヒットを続けています。9月15日までの動員数は1013万人、累計で興行収入142.7億円といいます。行ったのが21日なので伊佐屋家3人とチケット代はこれに上乗せされます。(笑)
上映開始の9時前に映画館には長い列ができていて評判通りの人気で、座席数120~130の7割方が埋まっています。
原作は吉田修一氏です。朝日新聞に2017年1月1日から2018年5月29日にかけて連載され、その後加筆修正、2018年に『国宝 上 青春篇』『国宝 下 花道篇』の二部構成で朝日新聞出版から同日発売されました。
我が家の購読紙が朝日新聞なので、8年前から物語に触れていたことになります。
作者自身が中村鴈治郎氏の「黒衣を着ていたら、舞台裏にいても目立たないから」との口利きで、 3年間歌舞伎の黒子を纏い、楽屋に入った経験を血肉にし書き上げた。とされます。
約3時間の長編にもかかわらず、席を離れる人がありません。
歌舞伎界名門の跡継ぎと任侠道家系に生まれた異端児、二人の若者が競い、芸の道を究め合います。女形の妖艶な魅力と芸を磨く厳しさと二人の過酷な人生が画面から迫ってきます。この映画で歌舞伎人気がさらに高まることでしょう。
映画の大ヒットで思わぬ効果が生まれています。
豊岡市出石町の芝居小屋永楽館がロケに使用されました。映画の中で歌舞伎の地方興行のシーンが実名の永楽館で撮影されました。
花井半次郎と半弥の幟がたなびく出石永楽館
「国宝」の感動、始まりは新聞小説 (日曜に想う) コラムニスト・山中季広 朝日新聞9月21日朝刊より抜粋
役者の名を大書したのぼりが秋風にはためく。来館者たちが舞台で女形の所作をまね、歓声をあげる。創業1901年、兵庫県豊岡市の出石(いずし)永楽館を訪ねた。 映画「国宝」(李相日監督)のロケ地の一つで、夏前から客足がとぎれない。「入場者が5倍に。多い日は900人を超え、てんてこ舞いです」と館長の赤浦毅(つよし)さん(49)。
映画の帰りに永楽館に立ち寄ったところ、次々と観光客が訪れていました。
館内では映画小道具が特別展示されています。都合で9月21日に館内展示が別に移され、10月7日から再展示がなされるそうです。
- 喜久雄と俊介の楽屋セットの再現
- 喜久雄が使用した鏡台(実際の小道具)
- 人間国宝小野川万菊(田中泯さん)の楽屋にあった屛風絵(実際の小道具)
- 二人藤娘の歌舞伎絵(実際の小道具)
- 「藤の持ち枝」貸し出し など


























































